2015年4月14日火曜日

ジャスティライザー・第三十五話

第三十五話「覚醒!伝説の騎士」

[ボス:魔神ダルガ  幹部:コマンダー・アドロクス]
レジェンダー・ヴァルガン登場

監督:村石宏實      脚本:上代 務


<ライザー星の生き残り>

冒頭。伊達電器店バックヤードにはミラを囲むジャスティライザーの一同。
彼女の口から、自分は滅ぼされたライザー星の生き残りであること
ライザー星を滅ぼしたのは、魔神ダルガの弟カイザーハデスであること
そのライザー星は地球と兄弟星であり、共に宇宙の秩序と平和を保つための波動を発していることを一同に教えるミラ。
ノルンについて澪が尋ねると、ライザー星と地球の関係について解き明かした科学者であることもミラから聞かされる。

滅ぼされた後、生き残って脱出したライザー星の人々は流浪の生活を強いられる。
その際に生まれたミラは、自分の星を知らない。 しかしいつかライザー星へ帰るために
ダルガ帝国軍との戦いを続けていた。
そんなミラが帯びた使命、それは「伝説の騎士を探し出し、ダルガと共に戦う」こと。
既にレジスタンス軍は壊滅寸前だったが、伝説の騎士の力を借りることで戦況を切り拓こうと考えていたのだ。

伝説の騎士に、スターリングを渡す。そしてダルガ軍との戦いに協力してもらう。
おそらく彼は、兄弟星である地球に来ているはず。
レジスタンス軍はもうすぐ敗北するだろうし、そうなればいずれ地球にもダルガ帝国軍はやってくる。
だから、早く伝説の騎士を探し出さなくてはならないとレジスタンス軍に居る兄から使命を託されたのがミラだ。


そこまで聞いた一同の表情は、重い。

カイザーハデスを倒したかと思いきや、その兄である魔神ダルガの軍団がもうじき地球に来るかもしれない。
これじゃキリがないと叫ぶ翔太。 だが地球を守るために戦わなければならないのが俺たちだと返す真也に同意する澪。

そんな中、伊達電器店内には理緒と麻美。 バックヤードへ入っていくと、重い空気の中の一同が。
ユカは、二人と買い物の約束があったのだが、後から合流するからと二人を先に行かせるユカ。


<伝説の騎士とは>

外に出て、川にかかる橋の上では翔太とユカが話していた。
戦いが終われば、普通の高校生としての生活に戻れる。 そうしたらあれこれやりたいことがあったと言うユカ。
翔太はしかし、ハデスとの戦いに集中していてそこまで考える余裕が無かったと返す。
こないだのバーベキューはたのしかったね。とユカが言うのだが
その瞳には涙が光っていた。
走り去っていくユカを追いかけていく翔太。 しかし後ろから呼び止められ、回し蹴りを喰らってしまう。

その蹴りを放った人間は、獅堂未加。
ストーカーと勘違いしたからだそうで、蹴ったことを翔太に詫びる未加。
ユカを交えた三人で河原で会話。 悩んでいるユカに対して未加が言う。
悩んだときは前に進め、と。


一方、ミラも外に飛び出していたが澪が追いかけていた。
ミラに自分も一緒に伝説の騎士を探そうと提案する澪。
彼女の探している神野が本当に伝説の騎士なら、自分が説得するという。


ハデス戦艦内では、アドロクスがダルガへ地球での出来事を報告中。
ジャスティパワーと同じ強大な力を持つライザーパワー。二つが地球に存在している。
その力を秘めたライザーストーンを持つデモンナイトを配下としていたのがハデス。

どうやらハデスは、その二つの力を手中に収めることでダルガにとって替わろうとしていたようだが
逆に滅ぼされたことについてそれをなじるダルガ。
ダルガ到着までに必ずジャスティライザーとデモンナイトの二人を倒してご覧に入れる。
さらにはジャスティパワーとライザーパワーの両方を手に入れる。そう宣言するアドロクス。
まだ、地球へは到着していないダルガは高笑いで応える。


一方地球では。
以前ダンハウザーから聞かされた「お前の力は封じこめられている」「お前はライザー星の・・・」
という言葉たちが思い出されていた。
そんな神野へ、ヴァルガンが立ちはだかる。
そこへさらに、ミラと澪が合流するがヴァルガンからは「既にレジスタンス軍は壊滅した」と聞かされるミラは呆然としてしまう。
そのミラへ切りかかるヴァルガンに、ガントが攻撃を仕掛け妨害。

神野に澪が呼びかける。
神野は自分達の仲間であり、貴方はハデス軍からライザー星を守るために戦った「伝説の騎士」である。
本当の自分を取り戻して欲しいと呼びかける澪に、神野は思い悩んでいるようだったが
そこへアドロクスがザコールと共に現れる。
デモンナイトへ向かって、これまで多くの星を滅ぼしてきた無情なる戦士よ、その力を私の前で見せろと言う。


<神野の正体は?>

ヴァルガンとの戦いで劣勢に立つガントだが、そこへグレンが合流。
続いてカゲリも澪たちの元に駆けつけた。
ザコールを翻弄するカゲリだが、アドロクスの光線により一蹴されてしまう。
アドロクスは神野の背後でささやく。 ミラを殺してしまえと。
ミラは神野の前に立ちはだかり、貴方こそ伝説の騎士、ダルガを倒せるのは貴方しかいないと神野へ呼びかける。
違う、俺はデモンナイトだと反駁する神野。
それでも澪がさらに呼びかけたところで、神野に迷いが生じたのかミラの首にかけた手を離す。

一部始終を見たアドロクスが、ミラへ光線を打ち出し重傷を負わせる。
息を引き取る寸前、スターリングを神野に手渡し、事切れるミラ。
その時、神野の脳裏に様々の記憶が蘇り――――――
自らをライザー星の騎士と叫び、デモンナイトへ装着を果たす。

ミラが倒されたことで、自分が油断さえしなければと悔やむユカ。
澪はユカに、戦いましょうと呼びかける。 宇宙の敵・ダルガを倒すためにと再起を促す。
そしてカゲリへ装着し、さらにシロガネへ変化するグレン。
ヴァルガンを圧倒的な力で葬り去った。

そしてデモンナイトは、アドロクスと戦うが攻撃はほとんど通らず、ナイトクリーパーすらはじかれてしまう。
アドロクスは撤退。


戦後。
翔太は神野に共に戦ってくれるよな?と呼びかけるがそれを無視し
ミラの亡骸を抱きかかえ立ち去っていく。
神野、彼の正体はライザー星の騎士リゲルだというのだが・・・。


【レビュー】

神野の記憶が蘇り出す。
実は話としては後半の10分程度で充分といっていい回ではある。
ただし序盤ミラが告げたライザー星と地球の関係については、ジャスティライザー全員に知られることとなるため
決して全部が全部無駄な話というわけでもない。

ここで惜しいと思ったのは、ダルガとハデスの関係性。
劇中では「自分に成り代わろうとするためにジャスティパワーとライザーパワーを手に入れようとしていた」とダルガが言うのだが
少なくとも三十三話までの間にそういった描写が希薄だったことが難点だろう。
(一応、全宇宙を支配するという発言はあったものの・・・)
アドロクスの説明で「ライザーパワーを持つデモンナイトを配下にしていた」と語られるものの
ハデス自身がライザーパワーを手中に収めんがためにデモンナイトを部下にしていたという描写もない。
本編では、たんに洗脳して尖兵としていた程度の扱いに過ぎなかったのだから。

主人公側はともかく、敵側の積み重ねが希薄という点は
超星神シリーズ三作に共通する問題点と言っていいだろう。


今回非常に無駄だと思ったのが、前作グランセイザーに登場した獅堂未加。
ウケ狙いなのかサービスなのか知らないが、ああいう登場のさせ方なら出さないほうがマシではなかろうか。
以前の伝通院洸と比べても、セリフといい存在意義といい意味がない。
しかもグランセイザー第一話よろしく翔太に回し蹴りを食らわせるし。
これがウケ狙いだとすればあまりに「外しすぎ」だし、
サービスだとしてもその後の会話シーンの発言などは別に未加じゃなくてもいい。 
源太郎のほうがより「悩んだときは前に進め」と諭すのに相応しい人物だったし、現に第一話でも同じ内容の発言を翔太に対して行っていた。

#余談だが、未加の暴力的キャラクターが強調されている回はグランセイザー第一話と今回の二話のみ。
#二本とも村石監督の演出であるため、お気に入りのキャラなのだろうが正直寒いというか・・・。


【特撮の見どころ】

・なし

その代わりと言っては何だが、気になった殺陣をここで取り上げる。

今回の殺陣は、ガントとヴァルガンの際に見られた若干引け腰で走りながらガントスラッガーを撃つガントと
別のカットでガントスラッガーを手前に置いた画など、ちょっと射撃タイプのキャラの演出が微妙なところを露呈している。
そのガントが建物を使った二段ジャンプをしている部分は悪くないが。

カゲリの殺陣では、マントを一度ザコールに持たせトランポリンみたいにしたカットなど
カゲリに関してはアクロバティックな殺陣の演出が目立つ。
変身ヒロインにしては珍しく殺陣に特色が出ているキャラクターであるので、そのへんを注目してもいいのではないだろうか。