2015年4月15日水曜日

ジャスティライザー・第三十七話

第三十七話「捕らわれたデモンナイト」

[ボス:魔神ダルガ  幹部:コマンダー・アドロクス]
レジェンダー・ガーゴイド登場

監督:米田興弘     脚本:天沢 彰


<共鳴>

冒頭。前回の戦いで倒されたバハドーグに対し慟哭するガーゴイド。
そんな彼に、悪逆非道なジャスティライザーであると煽るアドロクス。
澪の持つジャスティクリスタルさえ手に入れれば、後はどうとでもせよとガーゴイドに指示を出す。
前回の終盤で見た、シロガネへの変化などを見てジャスティパワーの力に改めて注目したダルガ。

クリスタル内で目覚めた神野を見やるガーゴイド。
お前の仲間のせいでバハドーグが殺されたと言うガーゴイドに、奴等は仲間ではないと返す神野だが
クリスタル内で激しくたたきつけられてしまう神野。


病院内。 シロガネになったことでやはり体力が消耗してしまい
またもや入院を余儀なくされる澪。
神野に関わるからこんなことに、と麗香がつぶやくが 翔太は仲間だろ?と突っかかる。
澪自身も恐らくは自分達の仲間ではないかと思って神野と度々接触していたのだが
しかし、そのたびに危険にさらされている澪。
麗香はそれゆえ、神野に対しては敵愾心を強く抱いていた。

眠っている澪の胸元にあるジャスティクリスタルが輝き出す。
それと同時に、神野のライザーストーンも輝くが、すぐに消えてしまう。
その様子を面白い、と喜ぶガーゴイド。

そして澪が、悪夢で目を覚ます。 麗香がそばに寄ると、ガーゴイドの声が響き出す。
部屋のテレビに映し出されるガーゴイドの顔。 バハドーグが倒された場所で待っていると澪を呼びつけた。
澪を病室に残し、自分がガーゴイドに会うと麗香。 翔太たちにはガーゴイドのことを伝えて欲しいと言い残す。


<クリスタルとストーン>

山中では、ガーゴイドが麗香を見つけるが澪と勘違いしているようだ。
胸元のジャスティクリスタルを確認するため手を伸ばすが、ない。
ハイキックを浴びせ、ガーゴイドの持つ杖を奪って逃げさる麗香だったが
その杖の先端にあるクリスタルには、神野の姿は無い。
麗香から杖を取り返すガーゴイドへ、ガントとカゲリが立ちはだかる。
次いでグレンも合流するが、超能力やすばやい動きで翻弄するガーゴイド。
しかし連続攻撃によって、形勢不利を悟ると退却する。
グレンが遅れたことについては、担任に捕まってしまい追試のことで絞られていたからのようだ。


病室では、
神野へのこだわりを捨てない澪に対して麗香がなおも敵としての見方を捨てずにいた。
ハデスの部下として戦っていた神野を何故庇うのか?
それについては、ジャスティクリスタルは嘘をつかないと返す澪。
度々、ジャスティクリスタルとライザーストーンが共鳴しあっていたからだろうか。
当の麗香自身もまた、神野が捕われているである杖を奪うなど神野を助けようとしていたのだが・・・。

結局、神野を助けることで意見がまとまる一同だったが
どうやってガーゴイドをおびき出すのか?ということについては澪が「クリスタルがあれば、またやってくる」と言う。
相手がジャスティクリスタルを狙っている限り、何度でも現れるだろうと考えていた。

ハデス戦艦内では、ジャスティライザーに対していらだつガーゴイド。
今度は神野も連れてジャスティライザーを撃破すると豪語する。


病院の外では、車椅子の澪と麗香が散歩して語らっていた。
自ら考えて行動するようになった澪に対して喜んでいる麗香。
そんな澪を守れることについても嬉しく思っていた。
やがて、病室へ戻ろうとエレベーターへ乗ろうとしたが、突如澪だけがエレベーターの中に吸い込まれていく。
病院内をひとりでに走る車椅子。再び外へ出て行った澪の目の前にはガーゴイド。


<クリスタルの導き>

やがて、ジャスティライザー三人も現れ装着。
グレンが切りつけると、その杖の先端には神野が居ることに気づくガント。
クリスタルの奪い合いになったが、やがて遠くへ落ちていったクリスタルを澪が手にする。
ガーゴイドがそれに気づいて駆け寄っていく。

クリスタルの中にいる神野の脳裏には、澪とユカ、そしてミラの言葉が蘇る。
そして神野が叫ぶ。 俺はリゲル・・・。
ライザーストーンをかざすと、遂に装着を果たしたと同時にクリスタルから飛び出すデモンナイト。
その状況が信じられず、逃げ帰ろうとするガーゴイドに向かってブレイジングフレイムを浴びせ撃破するグレン。


戦後。
ジャスティライザーに助けられる形となった神野。
しかし、一人で何処かへと立ち去ろうとする神野に対し澪は、まだ貴方の使命は終わっていないのだから
死んではいけない、私たちと共に戦うのですと呼びかける。
そして、神野の手にスターリングを託す澪。

指にはめた神野は、いずこへと立ち去っていく。
翔太は神野に叫ぶ。どんな秘密があるか知らないけどジャスティクリスタルとライザークリスタル
どっちもダルガに渡さなければいいんだろ!と叫ぶ。

ジャスティクリスタルとライザーストーン。この二つを廻る戦いもまた始まろうとしていた。


【レビュー】

神野が、ジャスティクリスタルとライザーストーンの力により救出される。
ここでは改めてジャスティクリスタル及びライザーストーンに拘るダルガ帝国軍と
各クリスタルの重要性を認識しだすジャスティライザー側とが話の軸となっており
これは今後のストーリー上でも、重要なキーアイテムとして作用していくこととなる。

その一方で、まだまだジャスティライザーとの間に壁を作っている神野だが
ユカや澪、ミラの呼びかけを思い出すことで少しずつではあるが態度も軟化している様が伺える。

澪と麗香の間柄も、澪自身が自ら行動するようになっていったことに寂しさを感じつつも
それを成長として受け取り、さらにそんな澪の護衛に就ける自分に対しての喜びを語る麗香が目を引いた。
キャラクター面においては迷走著しい麗香だが、芯の部分である澪の護衛という点はブレておらず
こうした部分だけは維持できていることについては注目してもいいかもしれない。

ただ、前回レビューでも書いたがどうしても地味な描写が多い本作であるため
意識しない限り中々そういう見方が出来ないのが辛い部分ではある。


演出では、神野の封印されたクリスタルを奪い合うジャスティライザーとガーゴイドがコミカルではあるが
こういうシーンは他の作品でもよく見かけるものではある。
ただ今回は三対一でもある上にガーゴイドが空を飛んでいるのもあってか不利な面は否めない。

あとは、前半澪のかわりにガーゴイドと会った麗香。
胸を何度か触られているが特に麗香が大袈裟な反応をしていないのが目を引いた。
普通ならそれなりの反応が見られるカットだが、淡白にガーゴイドを蹴り倒していた。
あまりにあっさり進んだために「胸を触られている女性」という点が強調されていないのが面白い。
#実際は胸というよりは鎖骨と乳房の間の部分だったが。

今回は戦闘があっさり気味だが、神野とジャスティクリスタル・ライザーストーンを軸に進んだ話のせいでもあろう。


【特撮の見どころ】

・後半、クリスタルにとじこめられている神野のカット
・前半、よく見ると自分の杖じゃなくても飛べているガーゴイド

前者は意外と合成が凝っている。
クリスタル自体は綺麗な立方体ではなく、ちゃんとした水晶の形をしているが
実際の水晶のように、六角の立方体然としたものだけでなく中途半端に砕けた塊がくっついていたり
その形は歪なものである。
それは今回神野が囚われていたクリスタルも同様であり、クリスタル下部は中途半端に砕けて残った水晶体がある。

綺麗に残っている水晶体部分と、砕けている水晶体部分とで、神野の見え方が変化していることに注目して欲しい。
(脚の部分は砕けた水晶体部分が被っているが、上半身と違って歪んで見えている)

超星神シリーズの合成はあまりにさりげないものが多いため、しっかり見ないと良い点も悪い点も判り難いという難点があるが、今回もそんな合成である。


後者だが、よく見たら長い木の枝にまたがって飛んでいるガーゴイド。
前回でも見られた描写として、魔女のごとく杖に跨って空を飛ぶのがガーゴイドの特徴であるが
別に杖じゃなくても長いものを使えば飛べるという点が可笑しい。

また、ここでは見どころとして挙げていなかったが
ガーゴイドに対して連続パンチを放つカゲリのカットが漫画的で面白い。
しかし、他社ならそうしたパンチを出すにしてもキャラクターを正面に配してそうした映像を見せるが
本シリーズの場合、視聴者が俯瞰して見られる構図で見せてしまうせいか少々インパクトにかける難点もある。