2015年4月19日日曜日

ジャスティライザー・第四十八話

第四十八話「潜入!ダルガ基地」

[ボス:暗黒魔神クロガネ]
レジェンダー・ドレイグ登場

監督:鹿島 勤     脚本:稲葉一広・鹿島 勤


<守るために戦いに出る>

前回の戦いでリュウト以外の星神獣を撃破されてしまい
クロガネへ対抗する力をほぼ喪失してしまったことに苛立つ翔太。
真也に方法を尋ねると、「攻撃は最大の防御」と言う。
一方、ライザーパワーを奪われた神野も自責の念に駆られ、自力でライザーパワーを取り返すことを決意し
ハデス戦艦へ単身乗り込み、クロガネとドレイグの策謀を盗聴。
残るジャスティパワーを媒介する存在・澪を殺す作戦に移る様だ。


公園では澪がジャスティパワーを自然から吸収していた。
そんな中ドレイグがナイフを投げて暗殺しようとする。
駆けつけた神野が叫んで逃がすよう促すが、ナイフが澪に当たりそうになり神野が庇う。
カゲリがドレイグを牽制・撤退させる。

伊達電器店バックヤードに運び込まれた神野。 ジャスティパワーにより一命を取り留めたものの
傷は重いと澪が一同に告げる。
澪が無事であったことと、真也の泣き顔は見たくないなと麗香と話す神野は
自分に刺さったナイフを見てライザー星での出来事を思い出していた。
マイア姫が亡くなる寸前の記憶が蘇ったようだ。
ドレイグが投げたナイフがマイア姫に刺さったナイフと同じものに気づき、怒りに震える神野。
しかし、マイア姫の声が怒りに囚われないよう諭す。


神野が目覚めたと聞いてバックヤードに入る翔太と真也。
その二人の表情に何かを察した源太郎。
真也は澪を守りたいと語り、翔太もまた、ユカを守ろうと決心していた。
ユカのことが好きだから。
神野に、自分と真也をクロガネの基地へ連れて行ってくれと土下座して頼む。
絶対にユカを守れよ、と神野は翔太に約束させるとハデス戦艦内へ連れて行くこととなった。

少し後、川のほとりでは翔太がユカにプレゼントを贈っていた。
ラクロス部に戻れる記念日、と言って押し付けるようにプレゼントを渡すと
そのまま走って去っていってしまう翔太。


伊達電器店に戻り、服装を変えた翔太に源太郎が差し入れを渡す。
神野と真也と落ち合い差し入れを広げると、中には大福が入っていた。
大きな幸せだ、と真也が神野に教え三人で頬張る。
その後、神野と共にハデス戦艦へワープしていった。
三人を、店の外に出てエールを送る源太郎。


<進入・ハデス戦艦>

進入に成功した三人は、役割を分担することになる。
クロガネの玉座左手側に弾薬庫へ移動するスイッチがあり、弾薬庫を爆破してしまえば
ハデス戦艦は撃破できるだろうと神野。
何かしらの指示をクロガネから授かり、立ち去るドレイグを追う神野。
爆破は真也に任せ、クロガネのおびき寄せを翔太が引き受けることとなった。

クロガネの前に出てきた翔太。
ザコールを一掃し、クロガネの攻撃を誘発させつつ逃げ出す翔太。
一方ドレイグと対峙する神野。 マイア姫の敵をとるための一騎打ちとなった。
そしてクロガネが居なくなった玉座のスイッチを押し、ワープする真也。


クロガネを更におびき出す翔太。 装着しないのかと叫ぶクロガネに翔太は
自分の力で戦うんだと答え、クロガネに殴りかかる翔太。
武器庫へもぐりこんだ真也は爆薬を仕掛ける。
ドレイグと切り結ぶデモンナイト。
三者三様の想いが、戦いを支えていた。


伊達電器店バックヤードでは、ユカがプレゼントの人形に入っていた手紙に気づいた。
ユカはもう戦うな。戦いは俺と真也で終わらせるとそこには書かれていた。
読み終えて、飛び出すユカ。 次いでその手紙を見た澪も一緒に飛び出していった。


ユカの通信が翔太に入る。
――――――負けたら承知しないんだからね。
その声を聞いた翔太は装着しクロガネと再度戦う。
弾薬庫から戻った真也もガントへ装着し、クロガネと戦うグレンへ合流。
しかし二人でも歯が立たず窮地に立たされる。

そこへユカと澪、麗香が駆けつける。
カゲリへ装着し、クロガネへ三人の必殺技を叩き込み吹き飛ばした。
基地は残り数秒で爆破されるとガント。  ジャスティクリスタルから力が放出され脱出する五人。
続いてデモンナイトもドレイグとの戦いをやめ脱出。

次の瞬間、ハデス戦艦が爆発する。
爆風に巻き込まれつつも脱出を果たした一同。 地上ではドレイグとの最後の戦いへもつれ込む。
四人の力を合わせ、遂にドレイグを撃破することに成功した。


戦後。 夜中の伊達電器店前では源太郎が一同を迎えていた。
家の中に入っていった次の瞬間、クロガネの笑い声が響く。
まだクロガネは生きていたのだ。


【レビュー】

劇中ではダルガ基地と呼ばれていたものだが、ここまでの話の流れで言えば
元ハデス戦艦というほうが適当だろう。 
拙レビューでは「ダルガ基地」と呼ばずに「ハデス戦艦」で統一させていただいているが
これはアドロクス登場回などを見れば判るとおり。
そんなハデス戦艦を破壊し、クロガネごと倒すことが今回の話の筋なのだが・・・。

いまいち話がチグハグな部分が強い。
ハデス戦艦内に入ることができる神野と共に戦艦破壊をするというのはいいのだが
ここまでの話の中で実は、神野が何故か「敵の基地を探す」と言って捜し求めている回がある。
しかしアドロクス登場回ではアドロクス自身が「ハデス艦」と自らの居る場所を定義しているのだ。
ハデス艦は途中でつかわれなくなり、代わりの基地をアドロクスが用意しているような流れにも見えるが
劇中ではそのような話は一切無い。

もし、ハデス艦を途中で捨てて別の基地を作っていたという話であったなら途中の回の
神野が敵基地を探すという話も意味があるのだが、ただ「敵の基地」と言うだけで具体的な部分には一切言及されていない。

にも関わらず、神野は今回冒頭でもわかるように簡単にクロガネたちの居る基地へもぐりこめている。
どうも文芸スタッフや演出家間で設定の周知やすり合わせが不徹底なように思える。
ドラマに凝る事を悪いとは言わないが、基本的な設定くらいせめて固めるべきだとは思うのだが・・・。
#なので、拙レビューではアドロクス登場回の「ハデス艦」をアテにして、終始ハデス艦をダルガたちは拠点にしているという体にしています。


ドラマ部分においては、突如話に出てきたマイア姫にも疑問はある。
ただそれ以外はちゃんとそれまでの関係性を踏まえたドラマが展開されており、ここは悪くない。
翔太とユカは、神野の前とは言えようやく翔太がユカのことを好きと言う。
真也と澪も真也自身が翔太に、澪を守り抜くと誓っていた。
唐突感が否めないが神野の、マイア姫に対する思いなどもあり
各人の今回の戦いにおけるテーマに関してはちゃんと描写できてるといっていい。

とはいえ、ジャスティパワーの能力なのかハデス戦艦へ三人を追いかけてきたユカたちは安直。
ユカの通信が来るまでに何故か生身で戦っていた翔太にも言えるのだが・・・。
#自分の力で戦うんだよ!とクロガネへ啖呵を切っているのだが、通信後即座に装着していて意味がわからない。


見るべきポイントはいくつもあるだけに本当に惜しい回だとしか言えない。
三人で大福を頬張るシーンや、源太郎の扱い、クロガネとの戦いでお互いの武器を交換して戦うグレンとガントなど
目を引くシーンやカットはあるだけに・・・。
一言で言うと、キャラクタードラマにこだわりすぎてストーリーの盛り上がりを大幅に殺いだ回だろう。


【特撮の見どころ】

・爆発するハデス戦艦内
・ドレイグ最終決戦


前者は特撮というか大道具の仕事になってしまうが、中々の迫力がある。
ハデス戦艦が爆発する際、翔太たちが謎の空間を経て地上に戻るのだが
空間内で飛ばされているシーンがこの当時の作品としても安直な映像になっているのは残念。
戦艦爆発のシーン自体は非常にいいのだが。

後者は、造成地のような場所での戦いだがCG合成によるザコールの群れに注目。
仕方の無いことだが全部CGであるため、光源や影などが実景に対してアンバランス。
合成部分も終盤になって息切れしてきたのか?