2015年4月17日金曜日

ジャスティライザー・第四十二話

第四十二話「対決!三大幹部」

[ボス:魔神ダルガ  幹部:コマンダー・アドロクス]
ドクターゾラ
ゼネラルバッカス登場

監督:米田興弘     脚本:上代 務


<蘇る強敵>

冒頭。 ハデス戦艦ではいつまで経ってもジャスティクリスタルとライザーストーンが手に入らないことを叱責するダルガだったが
ほんの小手調べと意に介さない風のアドロクス。
そして、暗黒の世界から最強の戦士を呼び寄せたといって二人の人物を呼び出す。


下校中のユカと理緒、麻美。
理緒は上機嫌で時計を彼氏からプレゼントしてもらったことをユカたちに自慢。
プレゼントを羨ましがるユカと麻美。 あたしもプレゼント欲しいなぁとぼやくユカを眺める翔太。
伊達電器店に戻るや否や、今日からバイトする!と急いで出て行く翔太。

ユカが伊達電器店へ赴くと、健一から翔太が居ないことを聞かされる。
バックヤードで他のメンバーから話を聞くと、一週間前からバイトを始めたという。
この日はどうやってダルガと戦っていくのか、その作戦会議の日に当てていたのだが
ユカは部活をわざわざ途中で抜けてまで作戦会議を優先していた。
インローダーでの通信でも、その怒りが爆発するユカ。

翔太はユカに腕時計をプレゼントするために、ジェット便でバイク便のバイトを始めており
給料前にも関わらず腕時計を早速買っていた。
これさえ見せればユカも機嫌を直すだろう、と考えていたのだが。


そんなユカは、どうせバイクのパーツでも買うんだろうと翔太の気持ちを考えずに愚痴る。
澪がユカと合流して翔太のことでさらに怒った風だが、そこへ突如敵が現われる。
その正体は――――――  ドクターゾラ。
ジャスティクリスタルを奪うためにやってきたのだが、ゾラの復活を真也に報告する。
神野は、恐らくアドロクスの仕業であり細胞が少しでも残っていれば復活させられるのだろうと推測。

急いでユカの元へ急ぐ真也たちだったが、その行く先にもう一人の影。
今度はゼネラルバッカスが蘇ったのだ。 ライザーストーンを奪うために現われたという。
これが、アドロクスの今回の作戦であった。
最強の戦士を二人蘇らせることで、今度こそジャスティライザーとデモンナイトを撃破する魂胆である。

しかし、皆が苦戦しているというのに翔太はバイト中で通信に出られない。
配達先はとある格闘技ジム。 そこには 松坂直人がスパーリングの真っ最中。
今や伝説の格闘家と呼ばれる直人。 当然翔太も名前を知っており、握手を求める。
翔太の携帯に麗香が連絡し、ようやく現状が知れるところとなった。
急いでみんなの下へ合流しようとバイクを走らせる翔太だが・・・。


<笑顔が好きだから>

ゾラに苦戦するカゲリ。
バッカスに圧倒されるデモンナイト。 援護したくても狙いが定まらないガント。
そんな時ようやく合流した翔太だが、ガントはこっちより澪たちを助けに行けと促す。
しかし、バッカスに苦戦するデモンナイトを見るやバッカス戦に加勢してしまうグレン。
三人で必殺技を放つが、間一髪のところで退却されてしまった。


一方カゲリは、ゾラの攻撃のために足を引きずった状態で防戦一方。
吹き飛ばされ、殴り飛ばされるカゲリ。全く歯が立たず傷つき倒れてしまう。
そんなカゲリを踏みつけて現われたのは、アドロクス。
澪と麗香に歩み寄っていくアドロクスへ追いついたグレン、ガントとデモンナイト。

カゲリが力を振り絞って立ち上がったその時、アドロクスとゾラによる光のムチがカゲリを襲った。
宙を舞い、文字通り打ちひしがれるカゲリ。
遂に装着が解け、倒れてしまったユカ。
グレンたちがアドロクスとゾラへ向けて必殺技を放つが、やはり退却される。


倒されたユカに駆け寄るグレン。
ジャスティライザーとして戦い続けて、普通の女の子として遊んだりオシャレして楽しむ時間が取れなかったユカ。
そんなユカに、せめて少しでも喜んでもらおうと翔太はプレゼントを買うためにバイトしていたのだが。
ユカの笑顔が好きな翔太。
起きてくれなきゃ、プレゼントだって渡せない。
だから目を覚ましてほしいと叫ぶグレンの胸のインローダーが突如輝き出す。

放出されたジャスティパワーが、二人を包み―――――― ユカの意識が戻る。
ユカが目覚めたことに喜ぶ一同だったのだが・・・
なんとインローダーが消滅してしまった。


【レビュー】

翔太とユカが本格的に恋人同士のような感じでさらに接近していく回。
発端はユカではあるが、翔太もろくに説明せずにバイトをはじめてしまったために
またもすれ違いが生じる二人がドラマの軸となる。

ヒーロー物として、恋愛ドラマの要素を取り入れた作品は過去にいくつかあったが
本作のようにここまですれ違いと徐々に接近していく様をしっかり描いた作品も珍しい。
恐らく文芸スタッフ間でも、最低限翔太とユカの関係性の変化をドラマのアピールポイントとして据えていたのだろう。
この二人だけを見ると青春ドラマの雰囲気が強いとは度々評したが、今回はそれが翔太にとって裏目に出た回とも言える。


その上今回はドクターゾラとゼネラルバッカスを従えたアドロクスによる二面作戦、
さらには前作グランセイザーに登場した松坂直人の登場という、本作においては珍しく娯楽編という趣も打ち出された回である。

だが、単なる娯楽編というだけでもなく、それまでの翔太とユカの関係の積み重ねがクライマックスをむかえている回としても印象に残るし
ユカの復活と引き換えにインローダーを失う翔太と、次回への引きとタメもしっかりしている。
それはもう本作にしては珍しいくらいに。


【特撮の見どころ】

・なし