2015年4月15日水曜日

ジャスティライザー・第三十六話

第三十六話「魔神ダルガ登場!」

[ボス:魔神ダルガ  幹部:コマンダー・アドロクス]
レジェンダー・ガーゴイド
暗黒巨獣バハドーグ登場

監督:米田興弘     脚本:天沢 彰



<亡き星の仇>

冒頭。ハデス戦艦内では
ホログラフとして現れたダルガへ、デモンナイト捕獲失敗はヴァルガンの責任であると報告するアドロクス。
手ぬるいと叱責するダルガだが、次の手を考えていたアドロクス。
別室には、レジェンダー・ガーゴイドが居た。
デモンナイト撃破についてアドロクスが依頼するが興味はないと取り付く島もない対応。
しかし、ライザー星の生き残りと聞いた途端態度が変わるガーゴイドは
巨獣・バハドーグの封じられたクリスタルを手にしていた。


伊達電器店では、神野を味方とするかどうかで翔太と真也が言い合っていたが
その途中に麗香が、澪がいなくなったと飛び込んでくる。
急いで手分けして探しに行く麗香と真也。 おいてきぼりを食った翔太だが
ユカのことが気になってるなら探しに行って来いと源太郎が促す。

そのユカは、山中にて自責の念とミラへの謝罪で心が一杯の様子。
そこへ澪が現れ、ユカは最善を尽くしたとなだめ、みんなの所へ戻ろうと促し下山していく。

麗香たちの心配をよそに、ユカと共に下山していく澪だが道中で神野を見かける。
ミラの墓を立て、敵をとってやると墓に告げる神野は、スターリングを置いていずこかへ去ろうとする。
神野を追いかけ、追いつくユカたちが神野を止める。
ライザー星の同胞のために、自分が倒されてでも一矢報いようとする神野に、
そんなことのためにミラたちは地球に来て神野に戦いを託したわけじゃないと澪。
次いでユカも、ライザー星が地球との兄弟星であるなら、この戦いは神野だけの問題じゃないはずと問うが
澪から伝説の騎士リゲルと呼ばれるも、同胞の悲しみと憎しみに染まった自分は伝説の騎士ではないと吐き捨て去ろうとする。

そこへ、ガーゴイドが飛来。
神野へ腕を伸ばして捕まえ放り投げると、神野が装着し戦闘開始。
その後に翔太も駆けつけ、ユカと共に装着してガーゴイドと戦うことに。
巧みに距離を取りつつ、三人の攻撃を受け流し、逆にデモンナイトへ大打撃を与えるガーゴイド。
グレンがブレイジングフレイムを放とうと構えると、ガーゴイドは一目散に逃げていく。


<コレクション>

ハデス戦艦内では、疲れ切った様子のガーゴイドにアドロクスが
「では他の、ものの知らないレジェンダーにデモンナイトを始末させようかしら」とつぶやく。
それまで文句ばかり言っていたガーゴイドも流石にライザー星の生き残りとあっては考え直したようで、
アドロクスに指示を乞うことになるガーゴイド。

夜の山。麓のバス停でバスを待つ澪たち三人は、山中へ落下した隕石を目撃した。
その様子は神野も目撃していた。

翌日。
今度は真也も引き連れて隕石の落ちた地点へ行く一同だが、昨日一人で出て行った澪に対して
まだ怒ってるらしいと翔太が澪につぶやく。
一方、落下地点には既に神野が現れていた。
隕石と思われていたものをよく見ると、何かの建造物のようであった。
それには何かのマークがあり、神野の目が留まる。

すると、再度ガーゴイドが登場。
ダルガも罪な事をする、などと空々しいことを吐き捨てるガーゴイドへ激昂する神野だが
突如ガーゴイドが神野の足元になにかしらの結界を発生させる。
装着しようとするが、身動きがとれなくなる神野。
そのまま捕まえようとするガーゴイドへ立ちはだかるジャスティライザーの三人。

しかし、クリスタルの中に神野を封じ込めてしまうガーゴイド。
装着して立ち向かう三人だが、グレンへ幻術を用いて、同士討ちを誘発するガーゴイド。
全く気づいていないグレンに対し防戦一方の二人だったが、途中でカゲリがカラクリに気づいたのか
ガーゴイドに対して攻撃を仕掛けると、幻術が切れたのかグレンが正気に戻る。

ならば、と巨獣バハドーグを召還。巨大戦へもつれ込む。
バハドーグに対してはシロガネへ変化した上でリュウトとライゼロスを召還。
ジャスティカイザーで対処することとなる。
圧倒的な攻撃力でバハドーグを葬るジャスティカイザー。
愕然とするガーゴイドは、退散してしまった。

戦後。
やはりシロガネになることが負担となっていた翔太は、キツいぜと弱音を吐きつつ澪のもとへ戻ると
そこへアドロクスが現れ、空間投射によって魔神ダルガの姿を映し出す。
全宇宙を支配する運命にあると豪語するダルガは、そのために地球、そしてジャスティライザーが邪魔であると言い宣戦布告。

ついにダルガがジャスティライザーたちの目の前に現れた。
一方で神野も、ガーゴイドに囚われてしまった。
また、澪も体力を消耗しきってしまい、新たな戦いは既に混迷の一途をたどりつつあった。


【レビュー】

今回からはダルガ帝国軍が本格的に動き出す。
レジェンダー・ガーゴイドは様々な星で人間などをコレクションしているようで
ライザー星の生き残りである神野へのこだわりと、後半のバハドーグ戦にてあまりジャスティカイザーを傷つけるなと叫ぶところにその性格が現れている。
その一方、アドロクスはオカマキャラであり、さらには作戦の失敗をヴァルガンになすりつけるなど
狡いキャラクター性がそれとなく伺える。
科学者であるゾラと、武人であるゼネラルバッカス、そして策略家のような空気を漂わせるアドロクス。
敵幹部の性格付けとしては及第点か。

一方神野の、ライザー星の生き残りであり戦士・リゲルとしての記憶が蘇ったものの
今度はそのこだわり故に、ジャスティライザーたちを拒絶するドラマも発生。
実は、この神野だけを見るとこの当時の他社ヒーロー物のノリも若干匂わせている。
自分の持つ命題や正体について他者作品のように数話かけて思い悩む神野は、その意味では注目しやすいキャラクターでもある。
記憶が蘇るまでは、ジャスティライザーを倒すための戦士としての拘りが。
記憶が蘇っても今度はライザー星の生き残りとして、魔神ダルガへの拘りゆえに一人で戦おうとする人物像が現れているところを見ると
神野自身のシリアスな性格が見て取れる。

そんな神野に対しては澪が、ユカが既に神野個人の問題じゃないと諭すが
こういった描写を細かく積み重ねている点にも改めて注目しておきたい。
もっとも、わかり易い会話やセリフで印象付けているわけでもないためどうしても地味さは拭えないが・・・。


しかし、演出部分ではいまいちテンポが悪かったり、不必要な音をつけるなどして
雰囲気を損ねている点がまだまだ見受けられるのが残念ではある。

・三人同時に別々の名乗りをあげるシーン
・ガーゴイドがバハドーグに傷つけるな!と叫んでいるシーンでの、コミカルな効果音
・コミカルに退却していくガーゴイド
・クリスタルに封じ込められる際の、結界内で装着しようとして出来ないことに焦る神野

今回だけでいえばこの4シーンがどうしても気になった。
特に一番下は、1カットで見せてしまっているせいでどうも凡庸な印象が強い。
せめて左手を出そうとするカットと、神野の顔アップで焦らせる1カットの合計2カットで見せれば
より焦りが見える気がするのだが。
演出担当によってはどうも演出そのものの不慣れが見え隠れしているように感じる。


【特撮の見どころ】

・バハドーグVSジャスティカイザー
・幻術によって、視界内のカゲリやガントがガーゴイルに見えているグレンの視界

前者は、ようやく訪れたジャスティカイザーの大暴れが見られる。
バハドーグの脚を引っつかんで激しく下に叩きつけ、さらには尻尾攻撃まで見せるジャスティカイザー。
ここだけ見ると前作グランセイザーのダイセイザーと類似しているが、同じ怪獣型であるが故の宿命だろうか。
ただ、ダイセイザーとの相違としては手が三本指(ジュウライザーと同じもの)であるために
ダイセイザーと比べるとより腕力特化型のように感じられる点が差異だろうか。
それは今回の叩きつけるシーンにも現れている。

後者だが、グレンとガーゴイド(に見えるカゲリとガント)以外の背景に幻覚のようなフィルターをかけている。
これが意外と違和感なく仕上がっており、グリーンバックで別に分けて合成しているように見えないところが気になった。
この戦闘は山中だが、グリーンバックでの合成ならもっと立ち位置などに違和感が生じるため
恐らく実景の映像にフィルターで合成しているのだろう。
合成に関しては他社以上のクオリティを発揮していることも見受けられるが、こうした点に注目してもいいと思う。