2015年4月23日木曜日

セイザーX・第四話

第四話「青い稲妻!マグナビート」

[宇宙海賊デスカル]
宇宙恐獣・バードレス登場

演出:市野龍一    脚本:林民夫


<居候>

安藤家では、レミーが宇宙海賊の四属性についてレクチャー中。
なのだが相変わらず聞いていない拓人。
しかし拓人も今までの事で気になったことがあったらしい。 レミーへ質問をする。

レミーたちが過去に行けるのであれば、再度レミーたちが未来へ戻り過去へ行って何度もやり直せばいいんじゃないの?
中々冴えた質問だったが、ケインが突如現われこう答えた。
未来から2005年へ行くことは出来ても、その逆は出来ないことが説明される。

お前何時から居たんだよ?と拓人が聞くとずっといたよ。これからも!と答えるケイン。
そんなケインの言葉に自分の部屋へ戻ってみると、なんと東京観光のおみやげを部屋中に飾りたてていた。
居候するつもりのようだ。
晩御飯をご馳走になり、ケインは春子たちに受け入れられていた上に
宗二郎もケインのメカニックとしての能力を見出したようで、居候となることを快諾される。

風呂場にはツインセイザーまで居た。驚く由衣。
ツインセイザーはビートバイザーのクルーである。 彼らが、眠っているケインを横にケインの身の上を語る。
ラディ星は宇宙で一番文明が遅れている星。 アドの星であるビオード星とは同盟関係にあった為
今回の戦いに際して一人代表を出さなくてはならなくなり、それがケインだった。

そのケインの実家は貧しい。12人兄弟という大家族であり、長男であるケインは、ちゃんと兄弟たちを学校に行かせて、母親に家を買ってやることが夢だという。
ケインなりに頑張っているということで、足りない部分は自分たちが補うからヨロシク頼むと言うツインセイザー。


<徹夜の戦い>

後日。山中ではブレアードとサイクリードが徹夜でコスモカプセルを捜索中。
古い地図をアテにして探していたのだが全く見つからない。 コスモカプセルを持ち出して
その反応を使って捜そうともしていたのだが、案の定そこにアドが現われる。

続いて拓人も現われ装着してブレアード・サイクリードと戦う。
サイクリードは途中撤退するが、ライオとブレアードは継続して戦っている。
しかし徹夜でバイトしていたためフラつくライオ。
そこへツインセイザーが合流し手助けする。 ケインは流星神の修理のため徹夜していたので来られないようだ。

業を煮やしたブレアードが恐獣・バードレスを召還。最後の恐獣であった。
慌てるサイクリード・アクアルを尻目に暴れさせる。
グレートライオで応戦しようとするのだが、遠距離攻撃を得意とするバードレスに対して
マグナビートで戦うしかないと言うレミー。
ケインを呼びつけるライオだが流星神の修理部品を作らないとちゃんと戦えないよとケインが言い出し、結局グレートライオで戦おうとするライオ。

だが相性の問題が引っかかったレミーによって撤退させられるライオ。
追撃させようとするブレアードだが恐獣の無駄遣いを諌められる。
そんな中、イーグルはサイクリードの背中に発信機を仕掛けておりいつでも追跡可能な状態にしてあった。


安藤家ガレージでは宗二郎とともに修理部品を作り続けていたケイン。
拓人はこんな奴いらねぇ!と吐き捨てて出て行ってしまう。


<青の流星神>

宇宙空間では、発信機の信号をたよりにアドルイーグルがバルガレオンを追跡していたが
ライオキャリアーが飛び出していき追撃してしまう。
三将軍は、自分たちの基地が月にあることをを悟られたかと気にする。
うろたえるサイクリードの背中に発信機がつけられていたことを発見するブレアードとアクアル。

追いかけられた以上は仕方ないとばかりに再度バードレスを月面に召還。
ライオはコアブレイバーで飛び出していく。
地球上と違って空気抵抗もなく、重力も少ない中苦戦を強いられる。
追い詰められたコアブレイバー。にじり寄るバードレスの背後へ砲撃が浴びせられた。

ようやく追いついたビートバイザー。宇宙なら話は別とビートル。
オプティマイズビームを浴びせ青いラインに染まるコアブレイバーへ分離・合体する。
そうして登場したのが第三の流星神・マグナビート。

大火力による砲撃でバードレスを圧倒し、最後は
一斉砲撃の後、ビートバスターによってバードレスの撃破に成功する。
最後の恐獣を撃破され落ち込むサイクリード。


戦後。地球へ戻った拓人とケイン。
ビートバイザーの調子が悪いのは地球の空気が合わなかったからだった。
そのため修理部品が必要で、宗二郎と一緒に作っていた。

確かに自分の星より空気が悪い地球だが、この星の人々は優しい人ばかり。
だからこの星は守るに値するとケインが語った。
戦いを終えたら故郷へ帰って母や兄弟と会うんだとケイン。
もう未来に帰れないんじゃないか?と拓人が聞くが、絶対なんてことはないんだから、諦めていないよとケインは返した。
その顔は、未来を悲観していない。

一緒に家に帰る二人。 拓人って呼べよなと拓人がケインに告げる。

流星神が出揃い、一方デスカル側は恐獣を使い果たす。
そして未発見のコスモカプセルは6つ。 この戦いはまだ始まったばかりだ。

●カプセルの数→ セイザーX:4   デスカル:2


【レビュー】

ここで現時点で全部の流星神が出揃う。
前二作と比べればハイペースであることが判ると思う。
#それぞれグランセイザー十五話・ジャスティライザー十六話。なおガントラスは除外。
#また、グランセイザーにおいてはガンシーサーまで出たところで考えても六話となる。
このあたりも本作の、前二作とは違う点が窺い知れる。
速攻をかけて流星神をアピールしようというところだろう。
もっとも前二作(特にジャスティライザー)がゆっくりしすぎだったというのもあるのだが。


今回はケインのエピソードとなる。
ケインの母星ラディ星は、もっとも文明の遅れている星とされており
アドのビオード星とは同盟関係にあった。 その関係で代表として選出されたのがケイン。
そういう事情もあってかアドと比べ使命感の強さはないが
代わりに地球の文化や地球人との交流によって、地球は守るべき星だと結論づけつつ
未来へは戻れないという話にも関わらず、きっと戻れるはずだと未来へ帰ることを諦めていないケインが、アドとは対照的でもある。


今回もコミカルな中に展開の速さがあり、退屈させない。
足を踏みあうライオとブレアードの戦いもさることながら
「徹夜」をキーワードに会話が進むライオとブレアードといい、発信機をつけられてちくしょー!と叫ぶサイクリードといい
どことなく緩いが、テンポはいいので問題ない。


【特撮の見どころ】

・バードレスVSコアブレイバー
・バードレスVSマグナビート

前半は地球上だったがここは特筆するものはない。
今回は後半戦の月面で行われた戦いを推したい。
宇宙規模の壮大なストーリー、と評されることがある超星神シリーズだが
実は宇宙へ出て巨大ロボと怪獣が戦うシチュエーションは前二作には存在していない。
よって、今作のこの回がはじめての試みとなる。

もちろんセットもそれまでと違い白い荒涼とした大地と岩山メインであり
太陽光がギラギラ照り付けている感じは充分出ている。
前作で一度狭まったシチュエーションだが、本作においてまた広がりを見せることになったのは喜ばしいことだ。

コアブレイバーがはじめて遠距離攻撃(コアバスター)を放ったことと
マグナビートの一斉砲撃がトピックと言える。
特に後者は、本シリーズの遠距離攻撃タイプには伝統的な一斉砲撃を
相変わらずの合成による光線の乱れうちで存分に見せ付けている。
光線の川北、などと呼ばれたこともあった川北紘一による特撮を堪能できる贅沢なシリーズだ。