2015年4月18日土曜日

ジャスティライザー・第四十五話

第四十五話「アドロクス最終作戦」

[ボス:魔神ダルガ  幹部:コマンダー・アドロクス]

監督:本田幹祐     脚本:真島浩一



<アドロクスの陰謀>

国防省施設内の牢屋では、ジャスティライザーの三人が捕われていた。
その一方、澪と麗香が九条に連れ出されていた。
九条はジャスティライザーが異星人であると白河から指示されていたと言う。
目の前で装着したことが、九条の疑問を更に強めたようだ。

更に白河が現れ、澪を連れて行こうとする。
麗香が止めに入るが跳ね除けられてしまう。するとそこデモンナイトが現われる。
国防省の警備兵たちがデモンナイトへ発砲するが、弾丸は全て受けとめてしまう。
警備兵へ切りかかろうとするデモンナイトだが、澪に止められナイトシュバートを下げる。
必ず助けに来ると、その場から退却するデモンナイト。

そして、澪と麗香までもが捕われてしまう。
首に下げていたジャスティクリスタルをむしりとった白河だが、突如手から煙を噴き上げもだえ苦しんでしまう。
その状況を訝しがる澪。
しかし、結局翔太たちの牢屋へ一緒に閉じ込められてしまった。


国防省施設内。
九条が隊長から拳銃を携帯するように注意していた。 軍務違反ではあるが普段から拳銃は持たないようだ。
弾入ってるじゃん、と文句を言う九条に当たり前じゃないですかと返す隊長。
隊長が立ち去った後、先ほどの白河の反応を気にする九条。
ジャスティクリスタルは九条がケースに入れて保管したのだが・・・。

牢屋。
九条が現れ翔太と言い争っていた。
あくまで異星人として翔太たちジャスティライザーを扱う九条に石頭と悪態をつく翔太。
悪い異星人から地球は守られた、などと言う九条。
それに対してダルガこそが地球を侵略しようとしている敵だという澪。
その上で九条はうすうす気づいているのではとつぶやくのだが。


<九条の策謀>

夜中の局長室では、白河に憑依しているアドロクスがダルガにジャスティクリスタル奪取の報告を行っている。
インローダーは九条が別の場所へ持ち出しているが、時間の問題であろうとダルガに報告。
高笑いが響く室内。


翌日。牢屋では先日ジャスティクリスタルをつかんだ際の白河の反応を怪しむ澪。
白河はダルガに操られているんじゃないか?ということで意見が一致しかけるが
牢屋から出る方法がなければどうしようもない。
そこで、麗香が靴のヒールから何か道具を取り出した。


局長室では、白河がインローダーを早く持ってくるように九条へ怒鳴っていた。
科学班が解析中だから待てよといさめるが、デスクを殴る白河。
写真立てが倒れ、それを拾い上げた九条は写真を見て「マモル君の七五三だったな」と白河につぶやく。
そうだな、とその場を取り繕った白河へ お祝いしなきゃなと空々しく返した九条は隊長と共に退室。

しかし、写真に写っていたのは女の子。
隊長がそのことで九条に問いただすのだが、なにも言わずにその場を去る九条。
室内では九条に一杯食わされたアドロクスが怒りを露にしている。


牢屋では、脱獄のために麗香が鍵を開けようと四苦八苦していた。
そんな中白河に憑依したアドロクスは隊員を引き連れ牢屋へ向かう。
牢屋へたどり着いたその時、既に一同は牢屋から脱出していた後だった。
警告のサイレンが鳴り響く国防省内。

隊長は、単独でジャスティクリスタルを持ち出して何処かへ行こうとしている白河を見つけ呼び止める。
次の瞬間、白河が隊長を制して倒してしまう。

一方、ある場所へ逃げ込んだ翔太たちは白河に憑依したアドロクスと遭遇する。
ザコールを呼び出すアドロクス。
立ち向かおうとするが分が悪いため逃げ出すことに。
ザコールに追いつかれそうになった時、デモンナイトがザコールを妨害し翔太たちを逃がす。


施設外まで逃げ出した翔太たち。 しかしその前に九条が現われる。
そして翔太たちにインローダーを手渡した。
やがてアドロクスが追いつき、ザコールをけしかけてくる。
装着して立ち向かうジャスティライザー。

白河を追い詰めた三人だが、アドロクスが半身飛び出し
自分を傷つければ白河も傷つくがいいのか?と言い放つ。
グレンが攻撃を躊躇うが、そこへ九条が拳銃を構え現われる。
撃てるのか?と白河の言葉に命令に従わないと怒られるからなと九条が引鉄に指をかける。
地球を侵略する悪い奴から地球を守るのが俺たちだから、と。

引鉄が完全に引かれかかった時、アドロクスがうろたえて飛び出していく。
が、拳銃には弾が入っていなかった。
またも一杯食わされたアドロクス。気絶した白河ごとジャスティクリスタルを奪回されてしまう。


<アドロクスの決戦>

デモンナイトも合流し四人で戦うが、アドロクスは武器を使い強風を巻き起こす。
一歩も近づけない四人。さらに攻撃も交えられ防戦一方。
さらに空を飛ぶアドロクスに翻弄される。
ジャスティクリスタルを奪うためにジャスティライザーを追い掛け回すが、白河の手にまだあったことを思い出し進路変更。

しかし、間一髪でグレンが助けに入る。
白河はそんなジャスティライザーたちを見てあれはなんだと九条に尋ねると
九条は「俺たちの桃太郎、かな」と答える。
そして澪に、鬼退治任せるぜとジャスティクリスタルを手渡す。


そしてシロガネへ変化、アドロクスの武器を破壊する。
逃げようと空間の裂け目へ飛び込もうとしたが、その中にはダルガが居り
失敗は許さんと言ったはずだと言い残し空間を閉じてしまった。
退路を断たれたアドロクスは、シロガネへ攻撃をしかけるが
ジャスティランサーでことごとく弾かれ、斬撃を浴びせられ爆破四散。

戦後。
九条が改めてジャスティライザーたちとの共闘を誓う。
遂にダルガ帝国軍の幹部を撃破したジャスティライザー。
そして地球へ近づいてきたダルガとの決戦は、刻一刻と近づいていたのだった。


【レビュー】

アドロクスとの決着がつく回。
と同時に国防省がジャスティライザーと共闘する話がここで展開される。

今回は、前回の近藤孔明監督に続いて本多幹祐監督がメガホンを執っている。
経歴を調べると、近藤監督同様助監督が多いようだが脚本や一部作品では本編監督も手がけていたようだ。
後年手がけた「ここはグリーンウッド」の実写ドラマがその本編監督作品のようである。

そういうわけで演出面については特に大書する部分は見当たらない。
前回の近藤監督といい、これ一本だけで見るとそれほどクセはないというのが印象か。


今回の登場人物で目を引くのが九条。
翔太と同レベルの言い合いをするなどノリの軽い軍人だが、
アドロクスを二回にわたって騙すなど策略家の側面も見受けられる。
また、澪にジャスティクリスタルを渡すシーンではちょっとだけイキな言い回しもするなど
終盤に出てきたキャラクターの割には随分印象に残りやすい描写が多い。

それだけに国防省の人間がこんな終盤になってやっと出てくるのが実に惜しい。
せめて九条くらいは序盤の10話あたりから出していても良かったんじゃないかと思うが・・・。
#たとえ直接的にジャスティライザーと関わっていないにしても。

前作グランセイザーのオメガやボスキート、ベルゼウスでも感じた「急に出てきたキーパーソン及び要素」の問題が
今作でも頭をもたげ出している。
グランセイザーといいジャスティライザーといい、何故ラスト1クールくらいに要素を集中させてしまうのだろうか。
構成の拙さというより何も考えてないように思えてもどかしい。


アドロクスとの最終決戦もいまひとつ盛り上がりに欠ける。
もっともゾラやバッカスと違って策謀で戦うタイプでもあるので、それほど際立った戦闘を見せられない側面もあるが・・・。
オカマキャラという部分も、終盤に出てきたキャラであるがゆえのキャラ付けなのだろう。


【特撮の見どころ】

・空飛ぶアドロクス

えっこんなのが?と思われそうだが
意外と合成というか光源も込みで割と違和感が無い上に、カメラワークに対して
アドロクスの素材がちゃんと重心移動していたりゆらゆら揺れていることに注目。
普通他社作品ならもっとぞんざいに見せるシーンなのだが
(大体カメラは遠景になり、そこに飛んでる何かを合成する)
アドロクスが飛んでる時は遠近両方のカットがあり、どれも「そこでちゃんと飛んでる」感が出ている。
一度見てもらったほうが伝わりやすい画かもしれない。