2015年4月22日水曜日

セイザーX・第二話

第二話「燃えろ!グレートライオ」

[宇宙海賊デスカル]
宇宙恐獣レイザース登場

演出:米田興弘    脚本:林民夫


<セイザーXとしての使命>

冒頭。ライオキャリアー内ではシャーク隊長からの通信が入っており、それを一同が見ている。
再会を約し通信が切れてしまうが、未来からの通信は双方向なものではなく、こちらから何を言っても通じないようである。
レミーは拓人に説明する。
宇宙海賊による地球制圧を阻止するために、闇に包まれた2500年の地球からやってきた。
闇のエネルギーによりアドやケイン、レミーの星までも侵食しようとしているのだが
宇宙海賊に立ち向かっていたのが、シャーク隊長の率いるセイザーXである。

レミーへ問われた拓人は、セイザーXとして戦うことをあっさり承諾。


一方バルガレオン内では、三将軍へ12個のコスモカプセルを集めることを指示するバーダー艦長。
それが遠い過去から繋がるお前達の使命であるとも語った上で、邪魔者は全て敵であるとも言う。
コスモカプセルは12個あるようだが、一体何の目的で集めているのだろうか。


安藤家では、居間のテレビで前回の戦闘の様子が伝えられている。
三隻の流星神とバルガレオン。一体その正体は?とニュースで流れている中
レミーは改めて未来での出来事を拓人と妹・由衣に説明していた。
これから1年も経たないうちに地球を制圧してしまう宇宙海賊。
そして、制圧されて長い月日が経った未来の地球には宇宙海賊の子孫で溢れかえってしまっていた。

彼らは、この時代でコスモカプセルを12個集めその力で地球を制圧してしまったのだ。
そこで宇宙海賊より先にセイザーXが12個集めなくてはならない。
しかし拓人は我関せずという態度で話を聞き流していた。

バイトに出かけようとする拓人を呼び止めるレミーに、拓人は語る。
夢はF1ドライバーになること。イギリスへ行くための資金集めのためにバイトをしていたのだが
宗二郎はそんな拓人に生半可な気持ちで戦うなら今すぐ辞めろと叱責する。
セイザーXとして戦うために、イギリスに居た父親の元に行かせなかったんだろ!と言い放つも
半人前に何が出来るとさらに返され、怒って飛び出してしまう拓人。
レミーからはセイザーパッドを受け取ってはいたが・・・。

早く一人前になってもらいたいから、おじいちゃんあんなこと言うのよと母・春子がレミーに話す。


<祖父心孫心>

とあるビルにて、コスモカプセルの反応を感知しゴルドと共に赴いたアド。
警備員に止められたが、その警備員はバイト中の拓人。
ナショナルエンタープライズ社の社長室に保管されていることを突き止め共に行くことになった。
レミーへの通信を聞いた宗二郎に止められるが、通信を切ってしまう。
認められるために躍起になっていた拓人。

宗二郎はレミーを乗せてナショナルエンタープライズ社へ移動中、同社社長とのいきさつを語っていた。
コスモカプセルを譲ってもらえる話になっていたようだ。
レミーは、拓人のことを尋ねると「可愛い孫を好き好んで戦い巻き込む馬鹿がいるもんか」と返す。


社長室では、話のとおり既に宗二郎から話を聞いていた社長に出迎えられる拓人。
全部宗二郎さんの手の中だな、とアドにたしなめられてしまう拓人だが
コスモカプセルを手にしようとして落としてしまう。 一瞬光るカプセル。

アドたちに遅れて東京上空へ赴いていたバルガレオン。
一瞬光りだしたカプセルのエネルギーを感知したのか、倉庫から出したばかりのコスモカプセル探知機の反応を頼りに
サイクリードがビルの前に降り立っていく。


<登場!流星神>

社長室近辺までギグファイターが迫り、続いてサイクリードも合流。
装着して戦うことになった二人だが、最中にケインも加わりようやくセイザーXが揃う。
どうやら東京観光をしていたようだ。
その状況を心配そうに眺めるアクアルだったが、ブレアードは恐獣を出撃させてしまう。

恐獣・レイザースがビルへ向かい、ハサミによる一撃を浴びせる。
間一髪で巻き込まれなかったセイザーX。 そこでコアキャリバーに乗り込み恐獣へ対応するよう指示するレミー。
指示されるままダイヴインし、コアブレイバーを操縦するが偵察用ロボットであるため戦闘力は皆無。
レイザースの猛威を止める事は敵わず、ビルを大破させられてしまう。

見かねたレミーによって、ライオキャリアーからオプティマイズビームがコアブレイバーへ発せられる。
橙色のラインへ変化し、続いてライオキャリアーが分離・変形しコアブレイバーを格納。
ここに、流星神グレートライオが登場した。

がむしゃらに殴りつけるグレートライオだが、取っ組み合いになった時にレイザースの光線を浴びせられ倒される。
そのゴタゴタの間、サイクリードがコスモカプセル・スタッグ7を奪い去ってしまう。
レイザースの攻撃をはじき返した上でライオカッターを取り出しダメージを加えた。
空中で合体する二つのライオカッターは、ライオジャベリンへ変化。
起き上がったグレートライオが振るい、レイザース撃破に成功する。


戦後。
コスモカプセルを奪われたことをアドになじられる拓人。
闇雲に突っ走ってるだけじゃ宗二郎さんどころか誰もお前を認めてはくれないぞ。
そう叱責されるがお前に言われたくねーよ!と言い返す。
そんな口喧嘩をよそにケインが記念撮影に二人とレミーを連れ出す。

一同を遠くから見守る宗二郎は、拓人にすまんと一言つぶやいたのだった。

●カプセルの数→ セイザーX:4   デスカル:1


【レビュー】

流星神・グレートライオが登場する回。
そして巨大戦も本格的に始まることとなる。
流星神という名称は、企画段階の名称の名残とのことである。
#今更だけど流星神セイザーXでもいいと思うんだけどね、タイトルは。
#シリーズ従来のパターンが(巨大ロボの名称)+(ヒーローチームの名前)なので。


コスモカプセルをはじめてデスカル側に奪われてしまう回であり、カプセルを廻る戦いが一筋縄ではいかないことを示唆しているかのようでもある。
そして、そのコスモカプセルを12個集めることで願いがかなうという特殊能力も語られた。
2005年に宇宙海賊によって滅ぼされたことも、それが起因しているだろうとレミーは言うが・・・。

流星神とバルガレオンにそれぞれ備わっているコスモカプセル探知機が似ている点も面白い。
もっともバルガレオンのほうは随分古びているのだが。
古びているからか、具体的な場所まで示しきれていなかったりもする。
(アドルイーグル側のものは、社長室のどこにあるのか詳細も表示されていた)


一方今回は、前回以上にコミカルな色を打ち出している。
安藤家で未来の出来事について説明しているレミーとそれを聞いている由衣や
東京観光に出ているケインのほのぼのした光景に、戦いの途中で記念写真を撮るケイン。
レイザースの攻撃で間一髪巻き込まれそうになるセイザーXとサイクリード、
そしてラストのガレキと化したビルでの記念撮影と、人によってはこの時点で視聴を切った人も居ただろうことは想像に難くない。
また、記念撮影のカットを二回繰り返したり「俺を殺す気か!」をサイクリード、イーグルにそれぞれ言わせるなど
繰り返しギャグを多様していた点も可笑しい。

ただしコミカルではあるが、割とテンポよく差し込まれるせいで抵抗感は前作ジャスティライザーに比べれば薄い。
特に安藤家でのレミーと由衣のやりとりなどはコントじみてて面白いが、同時にストーリー上の設定をサラリと説明しているなど
中々簡単には出来ないことをやってのけていることに感心させられる。
その後のドラマ展開へも自然に雪崩れ込めているし、林民夫と米田監督による軽妙なやりとりの演出・話作りが心地よい。


【特撮の見どころ】

・レイザース大暴れ
・レイザースVSグレートライオ

前者はおなじみの街中だが、ビルを中心としている点と高速道路を手前に配した画が目立つ。
高速道路上には多くの車がミニチュアでごった返しており、このあたりの情景の細かさも目を引く。
ビルの破壊シーンも、外側からの破壊(ハサミが当たった逆側も爆風でちゃんと吹き飛んでることに注目)と
破壊を内側から見ているカットをそれぞれはさんでおり、特に内側はセイザーXたちが巻き込まれかけるカットになっているのが面白いが
さらにその後の、天井がなくなった状況のカットも面白さを倍増させている。

レイザース戦は、わりあい無難な出来とも思えるが
ミニチュアのマンションの物干し竿で揺れている洗濯物が芸コマ。
常に何かしら細かい部分で見せてくれるのは本シリーズの美点として記憶されるべきだろう。