2015年4月19日日曜日

ジャスティライザー・最終話

第五十一話「明日に架ける夢」

巨大クロガネ登場

監督:石井てるよし     脚本:稲葉一広


<激闘はまだ続く>


ディグロスは破壊されたが、ジャスティライザー側も戦力を大幅に喪った。
幻星神は全て倒されてしまい、しかもグレンとデモンナイトも爆発に巻き込まれた。
地上では愕然とするユカたち。
しかし、そんなユカたちへクロガネが舞い降りる。

もはやお前達に勝ち目は無いと言い放つクロガネに、ガントとカゲリが立ち向かうが
剣を取り出したクロガネになぎ払われ、装着が解けてしまう。
絶体絶命のピンチに陥った四人だが、その時シェイドスターが地球上へ飛来。
ジャスティクリスタルが輝き出し、ノルンが現われる。
私もまた、貴方方とともに戦うと告げるノルン。
ノルンが手をかざし、ユカがそれに応える。  そしてシェイドスターへ消えるノルン。

しかし、クロガネは俊敏な動きでシェイドスターの攻撃をかわし
逆に攻撃を浴びせていくことであっさりシェイドスターを破壊。
再度四人の前に降り立ち、とどめを刺そうと剣を振るいだしたその時
翔太と神野が地上へ降り立った。
神野はどうやら、身代わりとなって大ダメージを受けたようだ。


<白金の奇蹟>

ジャスティライザーは叫ぶ。俺たちの夢をこれ以上邪魔はさせない。
神野・・・リゲルもまた、滅ぼされた星と仲間たち仇を取ると叫ぶ。
三人が装着し、クロガネに対して必殺技を合わせてぶつける。
消え去ったクロガネ。 だが・・・

なんと巨大化を果たすクロガネ。
破壊された街をさらに破壊していく巨大クロガネ。
幻星神のないジャスティライザーだが、決して諦めずにクロガネと対峙する意思で前に出る。
そしてジャスティクリスタルとライザーストーンが輝き出した。
その二つが融合し、ジャスティライザーの三人の頭上で輝く。
三人はリライブパワーと叫ぶ。

すると、宇宙空間に漂っていたケンライザーが
倒されたジュウライザーとニンライザーが、リュウトへ光の玉となって集まる。
さらに三人も光となってリュウトに集まった次の瞬間――――――――――――
光の粒となって散ったリュウトが、地上へ粒を降らし、それが凝集。
それは人の姿となり、巨大なシロガネを現出させた。


うろたえる巨大クロガネ。剣を取り出し攻撃を仕掛けるも
全て手でなぎ払ってしまう巨大シロガネ。
ジャスティブレードを取り出し、クロガネへトドメをさす。
夢を守るために!
未来を守るために!
正義は、勝つ!
乾坤一擲のジャスティクラッシュをクロガネに浴びせ、爆破四散させた。

地上では勝利に喜ぶ人々。
巨大シロガネは再び光の粒となったが、それは地球全体を覆いつくした。
破壊された街が、修復されていく。 学校も直り、喜ぶ理緒たち。


クロガネに勝利したジャスティライザー。神野は、地球とライザー星の兄弟星が
力を貸してくれたからこその勝利なんだと翔太に言う。
街が元通りになっていくことを喜ぶ一同。
源太郎もその勝利をかみ締めていた。

神野はすぐさまライザー星へ帰ると言い出す。
決心が鈍らないうちに帰ろう。 そしてライザー星を復興する夢をかなえるために帰ろう。
ハイタッチをして翔太と別れの挨拶を交わす神野。
麗香のほうをチラっと見て、リュウトに乗り込んで帰っていく。
決して夢じゃない、絶対にかなえられるさと真也。


長らく続いた戦いがようやく終わった。
ついに、日常へ再びもどることとなったジャスティライザーたち。
平和の戻った地球で、青春を、人生を謳歌する喜びを
翔太が、ユカが、真也が、澪に麗香、源太郎たちも・・・
皆が笑顔で受け止めていた。

地球とライザー星の意思有る限り、宇宙の平和は保たれていくことだろう。
お疲れ様、ジャスティライザー。
ありがとう、幻星神。


【レビュー】

最終回。
当時からネタにされていた「巨大化するシロガネ」だが、今冷静に見返すと
よく考えればクロガネが巨大化するんだからありうる話ではある
思い返してもらえば判るが、クロガネ自体がそもそもライザーパワーの生み出した存在であり
同等の力を持つジャスティパワーの戦士・シロガネが巨大化できない道理はないだろう。
そういう意味では拮抗した戦いになりそうだが
しかし、夢と未来を守る正義の力の差が、巨大クロガネを討った原動力となった。
という解釈は決して間違いでもないだろう。
#もっとも、弟ハデスが自力で巨大化・怪獣化したので兄ダルガ=クロガネもその線で考えたら意味の無い考察になってしまうが・・・。


ただし。
ライザーパワーとジャスティパワーが同等の力を有しているという設定自体が
しっかり根付けているのか?という問題は最後まで残っているように思った。
それは当時実況で見ていた人間の殆どが「そんなのありか!?」という反応を示していたことからも伺える。
#これはこれで実況しながら見ていた人間全員がちゃんと見ていない証拠でもあるが・・・。

大人ですらこうなのだから、当時見ていた子供から見てそのあたりの設定はどう映ったことだろう。


また、前作グランセイザーでもそうだったが終盤に色んな要素を急に詰め込んだせいで
いまいちオチにいたる流れが「勢いだけ」になってしまっている点もマイナスだった。
恐らくグランセイザーの反省が生きているはずのジャスティライザーなのに
結果的には構成の上でまるで反省が生きていないのは、少々腑に落ちない。
#今回の、ジャスティパワーで街が治るシーンなどもそうなのだが・・・。
#結局破壊されていないケンライザーとリュウトも、ちょっと気にはなる。

前作との比較、でいえば前半のクロガネなんかもどうも地味さが拭えない。
ベルゼウスの「ピーカンの河原」に比べればマシ?なのだが
やっぱり日常感を覚えさせてしまったのが、最終決戦の空気を殺いでいる。
また、前作でも見られた「メインどころのキャラクターが最終回直前で生死不明になる」
展開を二度もやったのはなんだかヒネリがなさ過ぎるとも感じた。
デジャヴを感じた人も多かったんじゃなかろうか。


ともかくこれにて幻星神ジャスティライザー全51話は終了。
次作「超星艦隊セイザーX」へバトンタッチしていくこととなる。


【特撮の見どころ】

・巨大クロガネVS巨大シロガネ
・シェイドスター爆破

前回の戦いで既にガレキと化していた街中での戦いは、最終決戦のシチュエーションとしては悪くない。
ここは前作の最終決戦を考えたら合格点を出してもいいだろう。
もっとも、当の決戦自体はサラっと終わっているので印象が薄いが・・・。
巨大シロガネのインパクトに全部もっていかれているような当時の視聴者も多いだろうし
改めて見返した自分から見ても「えっこんな地味なの」と思ったくらいだ。

後者のシェイドスター爆破については、内部のセットへVFXでの爆発などをふんだんに合成しており
中々見ごたえはある。
最終決戦ということで、最後のお勤めということだろう。