2015年4月17日金曜日

ジャスティライザー・第四十一話

第四十一話「倒せ!魔獣ザリガン」

[ボス:魔神ダルガ  幹部:コマンダー・アドロクス]
宇宙魔獣ザリガン登場

監督:鈴木健二     脚本:河田秀二


<魔獣現る>

冒頭。街中の広場ではオープンカフェと移動売店が開かれていた。
メロンパンなどを頬張っている人々の上空に、突如UFOが襲来。
ビルなどへビームを打ち込み破壊活動を開始しだす。


一方扇山では、神野が彷徨っていた。
一週間ほど歩き回っていたのか、既に空腹も限界のようでもある。
川に居たザリガニを捕まえようとすると、突如ザリガニが空へ舞い上がっていく。
行く先は、先ほど街中で攻撃していたUFOの同型機。
神野はそれを見て、敵が動き出したことを感知する。

伊達電器店では、その神野の行方を案じていた。
そんな中、健一が恋人と共に登山から帰ってきており
扇山で神野も見かけたと翔太たちに教える。


神野の読みどおり、UFO騒動もザリガニ引き上げもアドロクスの作戦によるもの。
ハデス戦艦はどうやら扇山近辺に潜んでいるようだ。
神野が近くまで来ているため、強化したアルミュールが神野を担当し
アドロクス本人はジャスティライザーと戦うことになった。
そして、「合成魔獣」のテストもついでに行うというアドロクス。

果たして街中にその「合成魔獣」ザリガンが現われる。
先ほど集めたザリガニをベースに作られた魔獣ザリガンは、泡を吹き出すことでビルを溶解し
国防省の戦闘機などを撃墜してしまう。
街中に到着したジャスティライザーだったが、装着する前にザリガンが突如崩れ出す。

これはひょっとしたら自分達の目を引くワナで、神野の動きを察知したがために
分断するための作戦かもしれないと真也が分析し、三人は扇山へ向かう。


ハデス戦艦では、そのザリガンが崩れた原因がわからず首をかしげたアドロクスだったが
足元のザリガニたちの中にカメが混じっていたことに気づき、これがエラーの原因かとカメを拾い上げる。
そして基地近くまで迫った神野が映像に写り、アルミュールをけしかける。


<仲間の絆>

扇山の麓にたどり着く一同。
澪が真也にご飯を渡し、神野に食べさせて欲しいと頼む。
澪と麗香を麓に残し手分けして探す三人。

真也が河原まで出ると、デモンナイトとアルミュールの戦闘が繰り広げられていた。
ガントへ装着しバーサスカノンで撤退させるが、神野自身もロクに食べていないせいか体力が落ちているようだ。
翔太とユカと合流するまで待てと言う真也だが、早く基地に乗り込むべきだと焦る神野。
もう神野一人ではなく、自分達の仲間なんだから勝手に死ぬのはよせと止める真也。
そして神野の手に、澪のご飯を渡し食べさせる真也。

通信を終え、神野と共に弁当を食べるとアルミュールが再度現われる。
再びガントとデモンナイトに装着しコンビネーションで立ち向かう。
前回から強化されたせいで全く攻撃が通じないことに狼狽する二人。
そして翔太とユカが合流し四人となり、続いて澪と麗香も現われシロガネへ変化。

アルミュールの右腕の武器を受け止め、爆破を吸収してしまうシロガネ。
ジャスティランサーを用い瞬間移動で切り裂き大ダメージを与える。
その様を見たアドロクスは続いてザリガンを召還。
これに対してジャスティカイザーで立ち向かう。

ザリガンの泡攻撃とUFOのビームに苦戦するジャスティカイザー。その一方
地上ではダメージを負ったアルミュールにデモンナイトとガントがコンビネーション攻撃を仕掛け撃破に成功。
腕を引きちぎってもすぐ再生するザリガンだが、ジャスティノヴァによって爆破・もとのザリガニたちが散らばっていく。
また、UFOも撃墜され勝利に終わる。


戦後。 基地が移動したことを告げ立ち去ろうとする神野を麗香が呼び止める。
仲間に迷惑をかけておいて言うことはそれだけ?と迫るが真也がフォローに入る。
そんな時、先ほど散らばったザリガニたちが川を遡上していた。
ザリガニを見た神野の反応に驚く一同でEND.


【レビュー】

ここで河田秀二のジャスティライザー担当回は終了する。
この回のトピックとしてはザリガンが挙げられる。
これは当時、巨獣のネタ出しとして川北紘一から提案があったものを河田が受けた形で登場させている。
当時のファンサイト上の日記にもその旨が書かれていたので、覚えている人間がどれだけ居るかわからないが
一応当時を覚えている人間として特記しておく。
#日記自体は現在削除されている。

さて、河田回は割とそれまでの話を受けたネタを随所に盛り込んでおり
こうした部分が、本作から見られる積み重ねの一端を垣間見ることができる。
もっとも、それを意識的に行っているのが河田秀二回くらいしか見受けられないのが少々寂しいところだが。
あとはたった二本しか手がけていない浦沢義雄くらいか。

前回登場した和也が無口なのを受けて、真也や神野といった無口な人物に縁があるとユカが翔太を評したくだりといい
今回の澪のお弁当といい、ちゃんとそれまでに出てきた要素やネタを再提示している点は心地よい。
そして、カップリング的要素をしつこいくらいに提示するのも河田回の特徴か。
これも他の話で徐々に積み上げられていたので今更な部分はあるが、河田回はそれが前面に出すぎる部分がある。
超能力青年の回における翔太とユカといい、前回・今回における真也と澪といい
ジャスティライザーを構築している要素の一つでもある「青春ドラマ」な空気を更に色濃く打ち出している。


前回取り上げ損ねていたが、前回と今回で久々に敵1対ヒーロー多数の殺陣が見受けられる。
グランセイザーの時はある意味組体操みたいと評したのだが、
今作でも若干そんな殺陣になっている。 ただし、グランセイザーと違ってまだ整然としているあたり
似たような傾向の殺陣でも進歩が見受けられる。  前作は本当にグチャグチャしてわかりにくかっただけに。


【特撮の見どころ】

・ザリガニ
・ザリガン大暴れ
・UFO墜落
・ザリガンVSジャスティカイザー

一番上は、CGのザリガニを大量に画面上に出しているカットが前半と後半に登場。
特に後半、終盤で川を遡上するザリガニのカットが2つ連続で出てくる。
1つ目は単に川の実景と合成しているだけだが、2つ目はさらに浅瀬の川のカットであるため
ザリガニが水しぶきを立てて歩いているように見える点が細かい。

ザリガンが街中で暴れているシーンだが、久しぶりに国防省が出場。
戦車と乗用車が並んでいるカットは、ちょっとサイズ差の違和感があるものの・・・。
そのザリガン、泡を吹きかけることで建物を溶かすという特色があるが解ける建物のCGモデルなどは悪くない。


ジャスティカイザーとの戦いにおいては、驚異的な復元能力を見せ付けるザリガン。
もっともジャスティノヴァで結局四散してしまうのだが。
リュウトとライゼロスが飛来するシーンでは、山の実景に対して通過する二体の影を落とし込むなど相変わらず細かい。
このへんは案外他社作品ではスルーされるか、極端に表現されがちなので目を引く。
本シリーズはこういう細かい部分は可能な限り表現しようとしているのが好印象だ。

さて、UFOがジャスティカイザーにより墜落する一連のシーン。
ダメージを負ったUFOの2カットはミニチュアだが、墜落撃破するカットは実景にCGを合成したもの。
流石にこのシーンは違和感がある。 案の定ミニチュアとCGのUFOのサイズ差がえらいことになっていた。